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  価格 1,500円(税込み)
  単行本 283ページ
  出版社 ブックマン社
  発売日 2010年2月16日

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 トップページ>毎月の返済額を減らしたい、リスケのポイント>借換保証
 資金繰円滑化借換保証制度

 信用保証協会の保証で、借りている何本かの借入金を一本化(最長10年、据置期間
1年以内を含む。)できるという制度です。
 対象者は、信用保証協会の保証を受け融資を受けてる事業者です。
 この借換保証制度には、4つの借換のパターンがあります。
 下記にパターンを示しますので、どれに自社があてはまるか確認してください。

[中小企業金融安定化特別保証][一般保証、セーフティネット保証]
       ↓              ↓
   [セーフティネット保証の要件・1号〜8号の認定要件]
       ↓              ↓
     【該当する】        【該当しない】
       ↓              ↓
[セーフティネット保証で借換]   [一般保証で借換]


 ここで問題になるのが、「セーフティネット保証」の対象となるかどうかです。
 セーフティネット保証の要件は、1号〜8号まであります。
 対象となる方が多いと思われる5号と7号の要件を以下に示しますね。

 「5号」とは・・・
 国の指定する構造不況業種に該当し、
かつ直近3ケ月の平均売上高が前年同期と比べて、 
5%以上減少している中小企業の方。

 「7号」とは・・・
 以下のすべてに該当する中小企業の方
 1.金融機関からの借入額が、前年同期比で少しでも減少している。
 2.指定金融機関からの合計借入シェアが、総金融借入の10%以上である。
 3.指定金融機関のいずれか1つの金融機関からの借入が、前年同期比10%以上
   減少している。

 ここまでで、自社がどのパターンにあてはまるか判断できましたか?
 セーフティネット保証で借換えるか一般保証で借換えるかで、
意味合いがかなり違ってくるんです。

 ・セーフティネット保証で借換えるケース→通常保証とは、別枠。
 ・一般保証で借換えるケース→通常保証とは、別枠にならない!

 一般保証で借換えてしまうと、金融安定化特別保証やセーフティネット保証の通常枠
以外で保証されてたものが、通常の一般保証枠に振り替わります。
 これにより、以後の一般保証での借入枠が圧迫される可能性が高いですね。

 では、セーフティネット保証で借換えれるならどうか?ということです。
 基本的には、借換えてもいいかなと思います。別枠で保証されるわけですからね。

 次に、一般保証、セーフティネット保証の場合です。
 セーフティネット保証→セーフティネット保証も借換えてもいいでしょう。
 一般保証+セーフティネット保証→セーフティネット保証の場合も、基本的にはいいと
思います。

 ただ、一般保証枠部分が別枠へ振り替わってるため、理論的には一般枠が空いてる
状態なんですが、通常の一般保証で以後申し込んだ場合、
保証協会がどう対応してくるかわからないという懸念はありますけどね。
 いずれにしても、一般保証枠での借換えになるパターンの方は
よく検討してみてください。

 最後に注意点が2つあります。
 まず、すべての借換えパターンに共通することなんですが、
据置1年は極力避けて欲しい。
 据置期間中は、一円も返済しないということですから、その間に資金需要があり、
新規の保証で借りたいと思っても、保証が受けられない可能性が非常に高いです。

 次に、この制度を利用するなら、メインバンクでやることです。
 例えば、メインバンクA行(既借入保証3000万)とそうでないB行
(既借入2000万)と取引してるとします。

 この2つの既保証をB行でまとめないでください。
 いくら話を先に持ってきたのがB行といえどもです。

 なぜなら、メインバンクA行への訣別を意味するほど重要なジャッジになるからです。こ
ういう場合は、すぐこういう話がB行からあったとメインA行に相談しましょう。
おそらく、A行が対処するはずです。

 メインバンクに信保付融資がなくて、サブメインに信保付融資が全額移行するのはメ
インバンクの屈辱以外の何ものでもないですから。
 そんなことされたら、いくらメインバンクの担当者の怠慢などが理由とはいえ、
以後メインバンクの支援は受けられなくなる可能性大ですよ。

 おいしい信保付融資を他行に肩代りされ、いざ困った時にメインバンクに相談しても、
支援は難しくなることを心得ておきましょう。
 それを承知の上で、メインバンク以外で借換えするのならいいと思いますけどね。

 また、メイン行でまとめたとしても、サブメイン行としてはおもしろくありません。
 そうなると、借換後にサブメイン行から新規に融資を受けることは難しくなるでしょう。
 信保はメインでやるのが鉄則なのです。

 どちらで借換するにせよ、どちらかからの資金調達は難しくなってしまうという側面は
理解しておきましょう。その上での判断が求められます。

 よくメインバンク制が崩壊した!と報道されています。
 はっきり言います!あれは、上場企業や中小企業でも規模の大きな会社のレベルで
の話です。報道に流されて、うちの会社もメインバンクは決めずに経営していこうと思っ
てはダメです!

 さて、借換には4つのパターンがあることを説明してきました。
 ここから、実際に一つのパターンを取り上げ、具体例も入れながら説明します。

 借換のパターンは、特別保証(金融安定化特別保証→貸し渋り対策)で現在何本か借
りていて、セーフティネット保証の対象とならない方が、一般保証で借換える場合です。

 借換のメリットは、毎月、毎年の返済額を減らすことができるため、返済負担が少なく
なる!これに尽きます。毎月の資金繰りに負われ、どうにもならない状況であれば一時
的に効果があります。その間、業況が回復する見込みがあるならば、一本化する価値
は十分にあると思います。

 次に、借換のデメリットを考えてみます。
 えっ!?デメリットって何かあるの?と思われるかもしれませんね。返済が減れば楽に
なるんじゃないの?それがメリットなんじゃないの?と。
 実は、そこに落とし穴があるんですよ。

 その落とし穴とは・・・借換後、数年は新たな保証付の融資が受けられなくなる可能性
が大きいということなんです。というかほぼ借りれなくなってしまうでしょう。

 その理由は、2つあります。
 まず、借換をした時点で貸す立場、保証する立場はどう考えると思います?
 「この会社は返済が減らないとやっていけないんだな」と思うわけです。裏を返せば、
「返済が増えればアウトの可能性が高い」ということになるのです。

 借換直前の返済額を減らしてくれ!=もううちには貸さないでくれ!という意思表示を
したと、みなされるということです。

 現状の返済はできないから一本化して返済額を減らした後、
またお金がいるから返済が増えてでも借入したいという筋はとおらないのです。

 次に、特別保証→一般保証になってしまう!ことです。
 具体例で考えてみます。
 今A社は・・・
 一般保証で2000万、特別保証で3000万と1000万が保証されているとします。
 この特別保証3000万と1000万を一本化すると、一般保証に変わりますから、一般
保証は合計6000万となりますよね。

 実をいうと、普通の会社が、一般保証枠で借りられるのは無担保だとせいぜい2000
万くらいなんですよ。

 すると、6000万−2000万=4000万は、通常では保証されないはずの一般保証部
分となるんです。

 このことが、何を意味するか?

 このままA社が返済していき、6000万の保証残高が2000万以下の保証残高に減ら
ないと、一般保証で借りることができなくなってしまう!ということなんですよ。
一本化して返済額を減らさないとやっていけない会社が、
借換後何年も借りなくていいとは考えにくいですよね。

 借換えた4000万を完済し、なおかつ当初の一般保証で借りてた2000万を順調に返
済していき、その減少分しか保証してもらえないという事態になるんです。

 このケースでは、A社が不動産を信保に担保を入れれば、保証してもらえる可能性は
ありますが、地価の下落を考えると難しいでしょうね。

 特別保証(貸し渋り対策)は、無担保で一般保証枠とは別枠となっていることが、いか
に大きいことか、わかっていただけたと思います。それほど、大盤振る舞いの保証制度
だったのです。

 以上、2つの理由で、借換え後は新規の保証付の融資が受けられなくなる可能性が
高いというデメリットがあるんです。

 メリット、デメリットをよく比較検討してから、借換えるべきかどうかを決めるべきじゃな
いでしょうか。安易に借換えると、新規の保証が受けられなくなる可能性を秘めたケース
であるということを認識しておきましょう。

 その他に注意しなくてはならないのは、特別保証と一般保証を一本化して、
一般保証で借換はできないということですね。
 上記の例で考えると、特別保証分4000万と一般保証分2000万を
一本化できないということです。

 特別保証は臨時的な制度ですでになくなっていますから、
他の保証と一本化できないとされているからです。

 また、上記のケースでは増額借換はできません。
 他の借換えパターンでは、増額融資を受けることのできるケースもあります。



 資金繰円滑化借換保証制度Q&A

Q1.資金繰り円滑化借換保証制度が創設された背景は何ですか?

A.返済負担の減少により、中小企業の資金繰りを楽にするためとされています。
  しかし、その一方で代位弁済が急増していることから、代位弁済額増加の歯止めと
いう一面もあるでしょう。


Q2.資金繰り円滑化借換保証制度の概要について教えてください。

A.概要については、当メルマガを参考にしてください。


Q3.平成10年10月から平成13年3月まで実施された特別保証(金融安定化特別
保証)とは、どのような制度だったのでしょうか?

A.一般枠とは別枠で、信用保証協会の保証について総額30兆円の特別保証枠を
設けて実施したものです。保証承諾実績は、172万件、28兆9000億に達した。


Q4.一般保証とは何ですか?

A.特別保証やセーフティネット保証以外の保証のことです。
主として、一般の普通保証や無担保保証のことをいいます。


Q5.セーフティネット保証とは何ですか?

A.取引先企業などの倒産、取引金融機関の再編等に伴う貸出減少、自然災害等によ
り経営の安定に支障をきたしている中小企業に対し、通常の保証とは別枠で保証する
制度のことです。1号から8号までの認定要件のいずれかに該当し、最寄の市町村長の
認定が必要になります。

<1号:倒産関連>
 民事再生手続開始の申立等を行った大型倒産事業者に対し、
売掛金債権等を有していることにより、資金繰りに支障が生じている中小事業者。

<2号:事業活動の制限>
 生産量の縮小、販売量の縮小、店舗の閉鎖などの事業活動の制限を行っている
事業者と取引していること等により、売上高等が減少している中小企業者。

<3号:突発的災害(事故等)>
 突発的災害(事故等)の発生に起因して、売上高等が減少している中小企業者。

<4号:突発的災害(自然災害等)>
 突発的災害(自然災害等)の発生に起因して、売上高等が減少している中小企業者。

<5号:不況業種>
 業況の悪化している業種に属する中小企業者。

<6号:破綻金融機関>
 破綻金融機関との取引があったため、借入の減少等が生じている中小企業者。

<7号:金融機関の再編等による貸出減少>
 金融機関の再編等に伴う経営の相当程度の合理化により、
借入が減少している中小企業者。

<8号:RCCへの債権譲渡>
 RCC(整理回収機構)へ貸付債権が譲渡された中小企業者のうち、事業の再生が可
能な者。


Q6.借換保証の申込はどうすればいいんでしょうか?

A.保証付借入金の残高があることが必要です。(1口でもいい)
  次に、金融機関の窓口へ行き、相談します。
  この時、セーフティネット保証の要件に該当する場合、市町村長の認定をもらいま
す。最後に、金融機関に融資、保証の審査書類を提出します。


Q7.借換保証を申込む時、どんな書類が必要でしょうか?

A.信保委託契約書、信保保証申込書などが必要です。
  また、セーフティネット保証の場合、事業計画書や認定書が必要となります。


Q8.保証期間は何年まででしょうか?

A.原則10年以内となっています。
  また、据置期間は1年以内となっています。


Q9.増額借換はできますか?

A.一般保証またはセーフティネット保証を借換える場合、可能です。
  ただ特別保証の借換の場合は、できません。


Q10.既に条件変更により返済緩和していても、本制度の対象となりますか?

A.対象となります。


Q11.A銀行とB銀行の保証付借入金を一本化することはできますか?

A.できます。
  ただ、ケースによっては不動産担保の設定、解除の費用を伴う場合もありますので、
注意しましょう。


Q12.A県信用保証協会とB市信用保証協会の保証付借入金は一本化できます
か?

A.できます。
  具体的には、いずれかの信用保証協会へ問い合わせてください。


Q13.借換保証をした場合、既借入金の保証料は戻ってきますか?

A.保証期限到来前の完済となるので、一部戻ってきます。


Q14.借換保証した場合、金融機関に支払う金利はどうなるんでしょうか?

A.金融機関と中小企業者との間で決まります。


Q15.金融機関のプロパーの借入金も、借換保証を使い借換えできるのでしょう
か?

A.できません。
  プロパー借入金を借り手の意思に反して返済させること(旧債振替)は
  禁止されています。




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